その5 旗めく

10月4日
玉門関遺跡 漢の武帝時代の関所 忽然と在る 岩のように見えるが 土の塊

長城の断面 風化し 崩れ 途切れて 殆ど原形を留めていない
砂礫と土を混ぜ 葦の束を交互に重ねてある 素朴 作業の様子が有り有りと見える


旗が本来どういうものであったかを ここに立って 知った


ここは西の関 北に草地 遥か昔は湿地だったようだ その先に川がある 彼方はモンゴル 総延長2万キロの長城は北への恐怖から築かれた 凄いかアホらしいか 東から 強い風が吹いていた 陽光は南から

玉門関から陽関へ向かう途中の村で見つけた葡萄棚のレストラン
羊の肉とセロリの炒め物が美味かった
サービスはフェルメールの「ミルクを注ぐ女」

レストランの裏手 こんなところが面白い 一見 日本にも似た様な風景はあるが どこか違う 樹皮の色や立ち姿  枝振りや葉の様子  丸太の切り口の白  板塀や納屋の作り  屋根の角度  チラと見える赤  塗られた青  モノの配置など等 仔細に見ると一つ一つ全てが違う 背後は葡萄畑

羊が居た 一斉にこっちを見て 鳴いた ・・
番犬がブンブン尻尾を振ってくる 分かってない 「ちゃんと仕事をしろ」と言ってやった

陽関遺跡 狼煙台 近付いて 四方を見回して 息を呑んだ  地球は丸かった

つづく